厚生労働省の推奨は「3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時」。1日8,000歩に相当する。この章では、この数字をジムに通わずに埋める方法を、分単位で設計する。
第5章 / 全10章
身体活動・運動ガイド2023の成人向け推奨は3本柱です。
あわせて、座位行動を減らすことが新たに明記されました。
ガイドが「身体活動」と「運動」を分けているのは重要な設計思想です。23メッツ・時は生活活動を含む合計——つまり、通勤・家事・買い物で稼いでよい。
実際、まとまった運動より生活活動のほうが量を積みやすい。速歩(4.3メッツ)を1日30分×5日で10.8メッツ・時。これに普通歩行(3.0)の通勤30分×5日を足すと+7.5。合計18.3。あと4.7を週末の自転車1時間で埋めれば到達です。
週の不足が10メッツ・時なら、速歩に換算して約140分——1日20分です。通勤の一区間を歩く、エスカレーターを階段に替える。それだけで届く距離だと分かると、目標は現実になります。
週の身体活動量計算機に自分の1週間を入力すると、不足分が「速歩◯分」に自動換算されます。
ガイド自身が明記しています——「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する」。しかも、活動量が少ない人ほど、少し増やしたときの効果が大きいことが分かっています。
ゼロか100かで考えると続きません。5,000歩の人が6,000歩になることには、確かな意味があります。
| 組み立て | メッツ・時/週 | 累計 |
|---|---|---|
| 通勤の徒歩(3.0)30分×5日 | 7.5 | 7.5 |
| 速歩(4.3)20分×5日 | 7.2 | 14.7 |
| 掃除・家事(3.3)30分×3日 | 5.0 | 19.7 |
| 筋力トレーニング(5.0)30分×2日 | 5.0 | 24.7 ✓ |
ジムに通っていません。ランニングもしていません。それでも23メッツ・時を超え、筋力トレーニング週2日の推奨も同時に満たしています。「運動する時間がない」という制約の多くは、実は「運動」の定義が狭すぎることに由来します。
推奨値の計算には入りませんが、無意味ではありません。ストレッチやヨガ(2.3〜2.5メッツ)は柔軟性や動作の質に寄与しますし、座りっぱなしを中断する効果もあります。ガイドの数値目標に入らないだけで、価値がないわけではありません。
歩数のほうが手軽で、8,000歩は23メッツ・時のおおよその換算値です。ただし自転車・水泳・筋トレは歩数に現れないため、それらを行う人はメッツ・時で見るほうが正確です。
1. 成人の身体活動の推奨値として正しいのは。
週23メッツ・時(1日約8,000歩相当)。週15メッツ・時は高齢者向けの推奨値です。
2. 23メッツ・時に算入されるのはどれか。
3メッツ以上の身体活動が対象で、生活活動も含まれます。通勤の徒歩は堂々と算入できます。
3. ガイドが推奨値に届かない人に対して述べていることは。
特に活動量が少ない人ほど、わずかな増加でも効果が得られやすいとされています。